君はタイナカサチというアーティストを知っているか?―――Fateメディアミックスの立役者の再来という喜びによせて
11月某日Twitterにて
某さん「ジェネオンのミュージックフェス、タイナカサチ来たら行かないとなぁ」
自分「(へージェネオンそんなのやるのか。やなぎなぎとか来るのかな)いやーそんなの来たら絶対行かなきゃじゃないですか!まあ無いと思いますけどね笑」
遅くなりましたが、来年の2月3日にタイナカサチがお世話になります。
— タイナカ彩智 (@tainakasachi) 2017年11月8日
私の声をFateというアニメ作品で使いたいと、最初に手を上げ、愛情を込めてプロデュースして下さっていた方からのお誘いです。頑張ります。
サチさん、活動は6年程ぶりなのに、埼玉スーパーアリーナ。大丈夫かしら。 https://t.co/15Ea05Gqko
それはタイナカサチさん(以下敬称略)こと現タイナカ彩智という一人の歌姫が表舞台に帰って来るという吉報。
おそらくFGOをメインに楽しんでいる層には「タイナカサチって誰だ?」という感覚だと思うので、そんな方々への紹介にとこの記事を書きなぐります。
要点をここで言うと「ものすごく貴重な機会なので絶対に今からチケットを取れ」という話ですが、よろしければその理由が気になる人は最後まで読んで頂けると幸いです。
タイナカサチとは何者なのか
Aimer、Kalafina、LiSA…おそらくこのあたりの歌姫たちの名前は、きっとこの記事を見ている人はFateのタイトルの有無に関わらず聞いたことがあると思う。
彼女たちは「今のFateのタイアップを支えたアーティスト」達である。もちろんその他たくさんいるけれど。
そしてタイナカサチはまだFateが産声をあげて間もない頃の「初期のFateタイアップを支えたアーティスト」なのである。
1.アニメ「Fate/stay night」
- アーティスト: タイナカサチ,芳賀敬太,川井憲次,山川恵津子
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: CD
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2006年1月。今から11年前、今では毎年スピンオフのアニメが放映されているFateの大本PCゲーム「Fate/stay night」が初めてアニメ化された。いわゆるDEEN版と現在おおまかに呼称されているものである。
そのDEEN版のアニメOPでデビューしたのが彼女、タイナカサチである。
今見ると少し古めのアニメなのは気になる所だが、セイバーと士郎と情緒的なやり取りと「科捜研の女」などのドラマ、アニメ劇伴で名高い川井憲次氏のサウンドからファンの評価は高い。Amazonプライムでも配信中!!
「disIllusion」「きらめく涙は星に」この二曲は作詞作曲は原作Fate/SN並びにFGOでも音楽を手がける芳賀敬太=KATE氏によるもので、タイアップ曲の中でも特に作品に近い存在の曲だ。
(disIllusionはPC版のOPテーマ「THISILLUSION」のカバーでもある)
更には最終話のエンディングテーマ「君との明日」はタイナカサチ自ら作詞作曲を行った。
ひとつのアニメに3曲も歌唱。なかなか多いのでは無いだろうか。初のアニメ化、しかもPCゲーム原作のアニメでここまで密接に作品に関わる歌づくりをしているのはぱっと思いつく限りであまりない(うたわれるものくらいか?)
それきりになるかと思いきや、嬉しいことにこの後歩みはちょっとだけ続く事になる。
2.格闘ゲーム「Fate/unlimited code」
- アーティスト: タイナカサチ
- 出版社/メーカー: GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(M)
- 発売日: 2008/10/22
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2008年秋、CAPCOMから出たアーケードゲーム「Fate/unlimited code」(以下Fate/UC)のコンシューマー移植が発表され、その主題歌に再びタイナカサチが起用される事が発表された。
残念ながらFate/UCは公式サイトが既に無いのだが、興味がある方は是非プレイ動画を検索してみて欲しい。PS2、PSPでもプレイできる。
この主題歌「code」は個人的にタイナカサチ関連Fate楽曲で一番好きな曲なので是非聞いて見て欲しい。歌詞がね、いいんだよね…。
3.二度目のアニメ化「Fate/stay night UBW」
disillusion -2010- (「Fate/stay night」TV reproduction OPテーマ)
- アーティスト: タイナカサチ,タイナカサチ feat.樹海
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2010/01/22
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- アーティスト: タイナカサチ
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2010/01/20
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更にほどなくしてFate/stay night二度目のアニメ化が発表される。確か2008年の冬コミでしたっけ…(うろ覚え)
こちらのアニメでもタイナカサチが起用され、更に映画化を記念したTVシリーズの総集編「Fate/stay night TV reproduction」が放送された。総集編のOPは「disIllusion-2010-」が新しく録り下ろされ、新しいOP映像が作られた。
またEDも新たな楽曲となっており「With...」「雲のかけら」はTVシリーズでEDテーマを担当した樹海とのコラボ楽曲であり、更に「雲のかけら」は芳賀敬太氏による作詞だ。
更に映画を記念して発売されたベストアルバム「ricordanza - Fate/stay night TV song collection」には映画を記念したイメージソング「imitation」が、川井憲次氏と芳賀敬太氏によるタッグで世に送り出された。
映画版の主題歌「Voice〜辿りつく場所〜」はタイナカサチによる作詞であり、UBWの士郎をイメージした曲となっている。もし新しい方のUBWのアニメしか知らないようであれば、せめて曲だけでも聞いて欲しいものである。個人的に。
4.カバーアルバム「Mariage -tribute to Fate-」
今ほどのスピードと物量では無いが少しずつFateのメディアミックスと、共にあったタイナカサチの歩みはこれで最後となる。
このアルバムは映画版UBWを記念したカバーアルバムで、過去PC版発売当時に発売されたキャラクターイメージソング、ファンディスクのOPなどの楽曲をカバーしたトリビュートアルバムとなっている。
おおまかに各楽曲を紹介すると「days」はPC版EDテーマ、「memory」「Over The Mountain」「桜咲いて」は各ヒロインをイメージしたキャラクターソング、「hollow」「僕たちの未来」はFate/SNファンディスクであるPCゲームFate/hollow ataraxiaのそれぞれOPテーマとEDテーマで、また「僕たちの未来」はAimerによる英語版カバー「Open the doors」としてEDテーマにも使われている。
「黄金の輝き」「Link」はPS2版のOPテーマとEDテーマで、「黄金の輝き」はvita版及びスマホ版Fate/snには使われていないのでハマった時期によっては聞いた事がない人もいるのかもしれない…。
「Alive」は映画版UBWに合わせて書き下ろされた曲で、作曲編曲はFGOの劇伴を担当しているTYPE-MOONサウンドクリエイター芳賀敬太氏とジェームズ・ハリスの二人による楽曲だ。
ちなみにこれらの曲の原曲のトリビュートアルバム「Fate/Recapture -original songs collection-」も同時に発売されているので是非聴き比べて欲しい。
Fate/Recapture -original songs collection-』
- アーティスト: ゲーム・ミュージック,NUMBER 201 feat.rhu,河井英里,NUMBER 201 feat.荒牧陽子,M.H.,CHINO,rhu,Haruka Futaki,NUMBER 201 feat.MAKI
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2009/12/23
- メディア: CD
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ジェネオンの退社、自社レーベルの設立、そしてタイナカ彩智へ
そうしてタイナカサチのメディアミックスに支えられたFateだが、歩みが分かたれる時が来る。
2010年3月にジェネオンのレーベルから退社、また自身のレーベルの設立と名義をタイナカサチ→タイナカ彩智に変更した。
Fate以外にも彩雲国物語などのアニメタイアップをしていたが、こうしてレーベルが変わった事によりタイナカサチはアニソン界から姿を消してしまったのである…。
レーベルという大人の事情の壁
2011年に放映されたFate/zeroの大ヒット以降、度々イベントが開催されるが、基本的に現在Fateのアニメを製作しているのはANIPLEXなのは皆さんご存知かと思う。ANIPLEXはソニーの子会社なので、同じソニーのレーベルアーティストを多く起用している。
だがDEEN版アニメ作品はジェネオンが製作を担当している。(曰く、月姫のアニメなどで関わった縁故らしい)
2012年に行われたTYPE-MOON Fesでは不自然なまでにこの旧作アニメ群について触れられなかったのだが、ANIPLEXが関わっていないので仕方ないと言える。いわゆる大人の事情である。
今現在FGOほか現在のFateメディアミックスはほぼガッチリANIPLEXが関わっているので、おそらく今後タイナカサチが関わる事はよほどの事がない限り無理という現実がある。
またレーベルが変わった後の活動でジェネオンで出した曲はほぼ歌っていないようで、一度だけdisIllusionが歌われた事があるらしいがおそらくその一度きり。
そして2018年、タイナカサチとFateの再会という奇跡に
いかがだっただろうか?カバーも含めると4年間で18曲のFate関連曲を歌唱したタイナカサチというアーティストについて、知らない方には興味を持っていただけただろうか?
最初の話に戻るが、以上の理由から「タイナカサチというアーティストがFateの関連曲を生歌唱をする機会は、およそ二度と無い」のである。
おそらく、このNBCUniversal ANIME×MUSIC LIVEが最後だろう。誇張無しに。
ライブ行った事ないだとか、遠方に住んでいるだとか、ゲストアーティストだから曲数少ないんでしょ?とかあるけれど。けれど古のFateのメディアミックスを支えた歌姫の、おそらく今後最後の機会である生歌唱なので、もう是が非でもライブに来て欲しい。
現在公式サイトでチケットの先行受付が行われているので興味がある方は是非応募してください。多分さいたまスーパーアリーナという巨大キャパなので、当日券とかも販売するのでは無いかとは思うのですが同じ金を払うならやっぱり早いうちにいい席を抑えておいた方が良いということで。
これだけ長々と語った自分ももちろん参加するつもりですが、これを読んでこの機会に気づいたファンやまだDEEN版を見ていない人、ひととおり挙げた楽曲は全ては聞いたことは無いという人たちへ。ぜひともアニメを見て、曲聞いて、ライブに来てください。
今後Fateがどのように展開していくかはわかりませんが、この機会はもう多分最後です。口酸っぱくいいますよ!!