Fateオタクの読書感想文【3】「完訳アーサー王物語(上)」
タイトル:完訳アーサー王物語(上)
著者:サー・トマス・マロリー (著), 中島 邦男 (翻訳)
関連するFateキャラ:マーリン、アーサー王、ルキウス、他円卓の騎士
読みやすさ★★★☆☆
面白さ★★★★★
おすすめ度★☆☆☆☆
セイバーちゃんを追いかけてXX年。ついに意を決して原書に手を出してみました。今回は上下巻の上のみ。
大変古い本でおそらく入手するのは至難っぽい。発行年は1995年。
訳者のコメントとかなかったんで調べた限りですが、こちらの本はウィンチェスター写本版で原典を書き写したものだそうです。筑摩書房から出てるのはキャクストン版。
おおよそのアーサー王伝説の訳書はダイジェストで結構端折られているようで、もう一冊参考にと借りた福音館書店の「アーサー王と円卓の騎士」はおよそ430ページ。
こちらは上下巻合わせると1200ページ。ざっと計算して三倍ページ数違います。昼間のガウェインかな?(すっとぼけ)
3分の1を少ないと見るか、3倍を多いと見るかはともかく、とにかく端折られて無いのを見たい!!と思う方にはこちらをオススメしたいです。
古い本ですがそこまで訳文に読みづらさは感じ無いですが、兎にも角にもページ数が多くて読むの大変でした。割りと斜め読みだったのは否めない。
あと多分これダイジェスト版だとハブられてるんでしょうけど、とにかく出てくる騎士の数が多い!!名前が似ている!!誰が誰だかわからん!!
ベディヴィエールとペディヴィアのように似てる名前の騎士がワンサカ出てきます。エクターも二人出て来るし。大真面目に読むと頭シッチャカメッチャカになるのでは無いだろうか…。
上巻はアーサー王生誕、ブリテン統一とローマとの戦いと、ガレスの冒険、湖の騎士ランスロットの冒険、トリスタンの冒険など。(目次を見損ねたので今度確認します)
マーリン、ものすごく前半だと喋るのにウィンチェスター版の定めなんでしょうか。120ページでなんと石の下に生き埋めに…。本人ケロっとしてるのが言い様の無いほどシュール。
ちらほら聞いてたんですが、ランスロット骨頂で描かれていて、ガウェインがものすごく扱い悪いです。想像以上だった。
(例、他の騎士からやたらめったら褒められるランスロット、多分作中最大表現でアーサー王から褒められるランスロット、それに対して騎士らしからぬ行いをして諌められる事が何度かあるガウェインなど)
それでもやはり、Fateに名前が出ているキャラの掛け合いが出るとちょっと嬉しいもので、特にトリスタンの章(この本ではトリストラム)はトリスタンの奇行っぷりが凄まじくて完全に芸人だと思いました。
ただとにかくページ数が多い事と、絶版になっていて中古価格がとんでもない事になっているのがたいへんなネック。定価が上下巻セットで約1万円なんですが、アマゾンだとセットで1万7千円のプレ値に。それでも0.5GoAなんですけどね(謎の通貨単位)
読み切るエネルギーがあるのであれば、大学図書館のような研究職の強いところで探してみるとあると思います。あと国会図書館とか。
余談ですがこの本他に読んだ方の感想がどれだけ探してもアマレビュの一件しかなくて衝撃受けました。
下巻はまた今度挑戦してみます。