第一回 私の愛する近親相姦//「Fateシリーズ」よりケイとアルトリア
PC前の皆様。もしくはスマホの前の皆様。こんなピーキーなタイトルの記事を開いてくださってありがとうございます。
「せっかく自分のブログがあるのだし、連載コラム的なものをやりたいなぁ」
と漠然と考えていたのだが、貧相なアイディアと教養の私が連載出来るもの、そこまでしたいもの…と考えると、一つ案が思い浮かんだ。それが近親相姦だ。
近親相姦とは
近親相姦【きんしん‐そうかん】
親子・兄弟姉妹など血縁関係の近い男女の間で性的交渉が行われること。*1
近親相姦。なんと甘美な響きでしょうか。そうでもない?まあ聞いてくれ。
人間というのは社会的動物であり、一般的に人間が始めて所属する社会は家族という枠です。父、母、兄、姉、妹、弟、叔父叔母(伯父伯母)…その家族に、家族愛以上の感情を抱いてしまったら…?とりわけフィクションにおいて、かなりポピュラーなテーマである。人間が紡いで来た最古の物語でもある神話においても近親相姦は各地で語り継がれている。聖書的に言うならばアダムとエヴァは兄と妹でもあるし、妻が塩の柱にされたロトは洞窟で娘に逆レイプされる。眠っている間に性交をされる。
かたや現実の近親相姦はどうだろう。エジプトの王、ファラオは近親姦が当たり前で、スペイン・ハプスブルク家は貴き青い血を守るために近親婚を繰り返していた。とかく、描かれ方や実情は国や時代で様々だ。
とりわけ現代日本のカルチャーにおいては近親相姦はタブーの文脈として親しまれている。嫌悪感を抱く人間も少なくないが、開けてはいけない箱が眼の前にある時、果たして衆目が無ければそれを開ける欲求に打ち勝てる者はそういない。
エヴァが食べてはいけないとされた林檎を食べてしまったように、タブーは犯すためにあります。ルールは破るためにあるんだぞ。という欲求を満たすのが、フィクションなわけだ。
前置きが長くなりました。
いわんやここまで書く私はフィクションの題材として近親相姦がメッチャ好きで、進んでそういう題材を探す。周囲にも似通った趣味の人間が多いので、よくよく話題に上げるのだがいかんせんTwitterはリアルタイム性はあるのですが話を留めておくのには不向きなので、こうしてブログ記事としてまとめておこうと思う。
というわけで、記念すべき一回にこの趣旨から微妙に外れてそうな義兄と義妹なんだが、やっぱり第一回は一番好きなモノでこう。おそらく今後は兄妹を中心にたまに姉弟、他の近親相姦も取り扱っていきたい。
*10/15
すごく反響があってマジレスが飛んできて申し訳ないんですが、要旨的には「私の推し近親カプ語り&紹介」になります。なので肉体関係の有無は問わないです。真面目に読みに来た人すまねぇ。
Twitterで趣味が合う人にいちいち同じことを何回も書いてしまうのは非効率だからもう記事にしてURLペッて貼っちゃえば良くない!?って感じなので、そも近親カプ好きじゃない人は読まなくていいと思います。
おおまかな来歴
ケイとアルトリアは、美少女ゲーム「Fate/stay nigh」を起点としたメディアミックスプロジェクトに出てくるキャラクターである。ご存知の通りFateとは伝説の英雄や偉人を登場させるのだが、イギリスの伝承に伝わるアーサー王を女性であったという前提で歴史が改変され、それがFateにおけるおおまかな正史として扱われる。(アーサーの存在もあるが便宜上として)
この世界のアーサー王は本名をアルトリアといい、また幼少期のアルトリウスと名乗って生活していた。伝承によると、アーサーは父ユーサーの元から離れエクターという騎士の元に預けられその息子・娘たちとは乳兄弟として育つ。そのうちの一人が後のサー・ケイである。Fateにおいてはエクターの子供はこのケイのみである。
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アルトリアの義兄であるケイ卿について初めて言及があったのはファンディスク「Fate/hollow atraxia」の「しすたー・くらいしす」というイベント内でのことである。『口が達者で、円卓の経理担当』『おそらくアルトリアの真の性別を見抜いていたが、不器用ながらも兄として接してくれた』という情報が明かされる。
しかしながらこの時点では、少し変わった境遇の兄妹(兄弟)止まりである。ずばりlike以上の感情があるのかははっきりしていない。(当たり前である)
思わせぶりに存在をちらつかせておいて、ケイ卿の存在はそれきり約10年間の間死蔵されることとなる。ちなみにその後10年の間で小説「Fate/zero」が刊行されドラマCD化、アニメ化され大ヒット。おそらく正式に円卓の騎士からメインキャラクターとして初めてランスロットが登場。ゲーム「Fate/EXTRA」「Fate/EXTRA CCC」が発売され、こちらではガウェインが登場。10年、長いね。
Garden of Avalonでのケイについて
さて、長い長い10年の後。次にケイについて触れられたのはちょうど10年後に発売されたTVアニメ「Fate/stay night -unlimited blade works-」のBlue-ray購入特典である小説「Garden of Avalon」だ。ざっくばらんにこの中身について解説すると、語り手であるマーリンの視点・独白を中心にアルトリアの半生について描かれ、そのうちの前半部分にケイの独白が入る。出番らしい出番は、ここで初登場となる。
この本についてはここで初めてだったり具体的に名前が上がるキャラクターも多く、今では王の話で高難易度にはお世話になることも多いマーリンさんもこの本でビジュアルとキャラクターを明確に定められた。物語としても読み応えがあるのだが、Blue-rayが高額なためなかなか手を出しづらい難点もある。
もし興味のある人間は国会図書館の館内貸出で借りて特典として読むことができるそうなので東京に近い方は試してみるのも手である。ドラマCDについては、比較的安価かつ全国のツタヤでレンタルされているのを確認したので手を出すのはかなり容易なので、参考までに。
*10\15追記
国会図書館にGoAがある、という部分微妙に反響があるので付け加えておきます。
ご存知の通り国会図書館には日本の本が納本される制度があり、オーディオの類ももれなくそのようで(この辺詳しくないので雑で申し訳ない)検索すると東京本館の書庫に2つあるらしいので請求番号などを確認することができた。
Fate/stay night<unlimited blade works> (アニプレックス): 2015|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online
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オレはこんな馬鹿げた内輪もめは沢山だ。適当な理由をつけて退散させてもらうとも。(略)いいさ、船を出して適当な土地でのんびりするさ。*3
あいつは物心ついた時から親父に鍛えられ、一日の大半を嘔吐しての教育にあてられた。おまけに唯一あった自由な時間……眠る時間すら馬の世話や村の見回りなんぞに使っていた。あいつの人生には、あいつが守ろうとするものの実体験がまったくない。*4
「馬鹿らしい。そこまでして、アイツは何がしたかったんだか」*5
前述のhollowではアルトリアからの一方的な視点だったのと鏡合わせのように、この本で語られるのはケイからの一方的な視点である。
アルトリアは幼少期にケイの家に連れてこられ、共に育てられた。この本ではさまざまな円卓の騎士の視点でアルトリア及びアーサーの有り様について記されているが、ケイから見たアルトリアは「その辺の町娘と変わらない、負けず嫌いの小娘」である。もちろん彼女の特異な生まれを知りそれに言及した上で、だ。
町娘と変わらない少女が、人間ならざる"理想の王"を目指さんとする。その理由は、カムランの落日を前にしてもわからない、理解できないままだった。義兄の目から約10年間、自分から見ればただの町娘が性別を偽り王となる大望を懐くのを眺めた疑問点。自分には付き合いきれない、というものの既にこの時点でおおよそ20年以上は義兄として臣下としてアルトリアと行動を共にしている。気づくのが遅い。
ところが彼は言葉通り、カムランの落日の際に逃げおおせたのか?断じて違う。
アーサー王はガウェインの手引きで包囲網を突破し、どこからともなく手勢と共に現れたケイの殿によって絶対の窮地から生還した。
この戦いにおいてケイ卿はその最期まで、王の姿を見る事はなかったという。 *6
落日を予期していたはずの彼が、最期に妹の元に駆けつけさせたものはなんだったのか。それはサー・ケイ本人にしかわからぬものであり、もしかしたらケイ本人にもわからなかったかもしれない。
ドラマCD版と書籍版では語り部分にカットや微妙な差異があるが、とりわけケイ周辺はそれが多いので気になる方は書籍版を参照されたい。
サー・ケイは珍しく無言で、悪態一つなく日没まで姿を消した。*7
おしゃべりなケイは、それでいて大事なことは喋らない。スマホアプリ「Fate/GrandOrder」の1部6章にあたる「神聖円卓領域キャメロット」において、ケイはゲーム内で語られる事象の時間軸以前の時系列において、敵として出たモードレッドやガウェインのように獅子王に召喚され、そして離反した。ライターである奈須氏の個人日記に書かれたこの一文にどれだけ含蓄されたものがあるのかはそれこそ計り知れないだろう。
世が世なら王子であるトリスタンや武勇に優れたガウェイン、ランスロットなど円卓の中で、特に血筋が良いわけでもなく武勇に優れたわけでもない、比較的一般人寄りであるケイ。それでいてマーリンの次に近いところでアルトリアを見ていた彼の見た景色というものはなんだったのか。彼から見たアルトリアとは、アーサー王とは一体何だったのか。大事なことは口にはしないケイだが、その余白を妄想するのがオツな楽しみ方というものである。どうだろう?
その他の作品について
上に挙げた書籍「Garden of Avalon」以外にも2クール目のBlue-rayに付属するドラマCD「Curtain Call ~LET US DRIVE TOGETHER~」や、TYPE-MOON BOOKSより刊行されている「ロード・エルメロイ二世の事件簿 アトラスの契約 下」などでも登場する。内容については割愛するが、彼に興味を持った人はこの辺から手を出すといい。
余談だが現在コミカライズが連載されているロード・エルメロイ二世の事件簿、いつかアトラスの契約のターンになったらケイ兄さんが縦横無尽するのだと思うと筆者はたいへん楽しみである。まあ、多分東京オリンピックよりあとになるだろうけど。
(10/15追記/落書きを引っ張ってきたので人名スペルがガバガバです。ゴメンネ!)
この少し毒舌な世話焼きお兄ちゃんというポジションに小野大輔氏を連れてきた人はすごいと思う。何が言いたいかというと、早くFGOなりで新たな出番が欲しいということですね。はい。もしFGOに出るならアルトリアと並べたいよね。奈須さん、めておさん、是非よろしくお願いします。東京オリンピックの次のオリンピック位までには見たいです。
前説を含めたせいでそれなりの長さになってしまったけどこれ誰が読むんだ?気が向いたらまた次の近親相姦紹介記事書きます。かなり気が違った記事なので感想があると嬉しいというか安心します。よろしくお願いします。