死にかけの男性向けエロゲーの横でひっそりと死んだ女性向け乙女エロゲーの話をする。

まえがき

 

ここに乙女ゲームというゲームジャンルがある。多分このゲームの存在は、男女問わずそれなりに知名度があるだろう。乙女ゲーム知名度を爆発的に向上させたのはオトメイトが送る「薄桜鬼シリーズ」の存在に他ならないと言える。
とはいえ歴史自体はそれなりに古くて、光栄(現コーエーテクモゲームス)が1994年3月に発売したスーパーファミコン用ソフト「アンジェリーク」が女性向け恋愛ゲーム市場を開拓した記念スべき第一作と言われている。かくいう自分もこのコーエーが送る乙女ゲーム群、ネオロマンスシリーズにはだいぶお世話になったものです。

しかしギャルゲーにも18禁、非18禁が存在するように乙女ゲームにも上にあげた非18禁以外にも18禁ゲームが存在する。それが後述する乙女エロゲーとこの記事で定義するものとなります。

 


広義のエロゲーの現在

 

昨今、ちょっとディープなオタクなら18禁ゲーム、つまりエロゲーの存在と、それらの業界が一時期は一世を風靡していたこととはご存知と思う。そして今、そのエロゲ業界は傾いて風前の灯火なのもこれまたご存知と思う。
不景気だから、そもそもパソコンを持っている人がいないから、いわゆる割れなどの違法ダウンロードが横行してるから、筆力のあるライターが別の文やに行ったから、等々理由は色々ある。ともかくとして多分エロゲーというジャンルはかなり減退してしまった。

それと多分だが同じように乙女エロゲーもひっそりと減退し、多分今ほぼ市場は死んでいると思う。まずはこちらのページを見て欲しい。



Cool-B、という女性向けゲームの情報雑誌の編集部が作成した新作早見表である。
検索機能で18禁を指定してスクロールして確認してみて欲しいのだが、なんと新作18禁乙女ゲームで発売日が出ているタイトルが今の段階では全く無いのだ。開発中の作品は数点あるようなのだが…。

 

乙女エロゲーの歴史

 

エロゲーの歴史は古くはPC-98以前とか、パソコンがWindowsじゃない時代からあるが女性向けゲーム、とりわけ乙女エロゲーの歴史はかなり浅い。まず乙女ゲームというジャンルが他と比べると新興な部類だったからというのもあるのですが。

初めて発売された乙女エロゲーは2003年に美蕾というブランドから発売された「星の王女」というゲームだ。この作品はシリーズ化し、このブランドも老舗として扱われたのかかなりの作品を世に輩出している。
余談だが残念なことに美蕾のサイトはもう丸5年、更新が途絶えている。新作を開発中という話も聞かない。


男性向けのギャルゲーやエロゲーが発展する中で主人公のキャラクター化、ボイス付きという減少が普及したように乙女エロゲーも今は割とボイス付きというのは少なくない。
サトウユキ氏(自分に親しみがあるのはこちらの名前なのであえてこう書く)や手塚りょうこ氏など、男性向けエロゲーで見かける女性声優さんの名前をちょくちょく見かける。

おそらくだが初めて主人公のボイスを搭載したのはシュガービーンズが2006年に発売した「アンダーザムーン」だと思われる。いざ書くと初めて乙女エロゲーが出てから3年なのか…。(書いてる時に気付くなど)

その後「アロマリエ」「kalmia8」「Operetta Due」「TIARAMOD」など、様々なブランドが出て年に数本は出ていたのだが最近なんとなしに今後の発売状況を調べた所あのような状況が露呈したのでマジか…と思いつつこうしてブログにするのであった。

多分発売日が決まっていないだけで、下半期には1本くらいは出ると思うのだけれど、2018年が始まってこの約半年に出た乙女エロゲーは「お姫様だってXXXしたい!!」と「マジェスティック☆マジョリカルvol.1」の2本しか無いらしい。の1本限りになる。1本しか出てないってヤバくないか?

*18/5/21訂正

マジェスティック☆マジョリカルvol.1」を乙女エロゲーとして挙げましたが、こちらのゲームは18禁ではなく全年齢のゲームだそうです。

発売状況を調べるためコムショップの女性向けアダルトゲームの項目で調べたのですが、そちらだと18禁扱いになっていたので誤って書いておりました。お詫びして訂正致します。

 


かたやエロBLゲームは…

 

そもそもとしてBLゲームというのがまず18禁ゲームばかりなんですよね。学園ヘヴンとか。発売予定表を見ても、BLゲームの方が多いです。
偏見と憶測ですが、やはり今やオタクは誰もが知ってる虚淵玄を抱えているニトロプラス…のBLゲーム部門であるニトロプラスキラルが細く長く良質なBLゲームを生み続けているから、定着度が違うんですかね。自分はBLゲームやらないので本当憶測なんですが。


なぜ衰退したのか

 

およそ男性向けのエロゲーと同じ理由が言えると思うんですけど一つだけ特異な点があって、需要がまるごと別のジャンルに移ったんですよね。

今現在多くの乙女エロゲーを作っていたメーカーやブランドが作る物を「18禁シチュエーションCD」というのにシフトチェンジしつつあります。littlecheeseとか、AsRingとか。

ちょっとその辺疎いのでどれだけ今流行っているのかわかりませんが、単純な話としてPCゲーム一本作るのとドラマシチュエーションCD1枚作るのどちらか安くあがるか…といえば当たり前ながら後者でなので、夢女向けに移り変わってしまった感じが強いようです。

あとはDMMオンリー配信のようですが、スマホ配信に移ってるところもいくつか。

 

www.dmm.co.jp


とはいえあまり数があるように見えないですね…。買い切りじゃないからサービス終了もいくつかしてるようだし…?

 

でかい顔できるほどの購買者では無いんですが、やはりここまで縮小すると寂しさがあります。好きなものが世の中からいらないと消え去る瞬間の一端を目の当たりにするのはちょっと悲しいですね。

例えばエロゲーのようにライターが別ジャンルで活躍すれば…という話なら、割とBL小説とかティーンズラブ小説やそれらの漫画でライターと原画さんはお仕事してる方多いので食いっぱぐれる心配は無いみたいなんですけども。


自分はノベルゲームやアドベンチャーゲームというものが好きでという理由もあるので、やはりそれが失われゆくのは悲しい……。
下手したら自分のように消えゆくあることにすら気づかない人間も多そうだと思ったのでちょっと恥ずかしい話題ですがあえて記事にしました。

 

 

筆者おすすめ乙女エロゲー

 

せっかくの機会なのでここで自分のオススメの乙女エロゲーについて語りたいと思う。まずはこの「蝶の毒花の鎖」だ。(リンク先18禁注意)

 

aromarie.com

 

この蝶毒を出した「アロマリエ」は多分乙女エロゲー界の中でもちょっとした老舗だ。タイトルはファンディスク含めて5本ありイラスト、文章、どれをとってもクオリティは高い。

舞台となるのは大正。没落した貴族の令嬢である主人公の周りに起きる怪事件の数々…退廃的な雰囲気が三島由紀夫の小説のような雰囲気でたまりません。オタクはみんな大正ロマン好き。(主語デカオタク)
このライターさんの特徴として近親相姦に大変こだわりがある方で、兄と妹の近親相姦が好きな人は男女問わずやってほしいです。バッドエンドが結構凄いです。

 


二作目はコレ。「PersonaA~オペラ座の怪人~」

これまたリンク先18禁注意。

 

www.mirai-soft.com

 

始めに紹介した老舗メーカー美蕾の作品です。見ての通りオペラ座の怪人をモチーフにしています。オタクはみんなオペラ座の怪人好き。(主語デカオタク)

絵がすごい綺麗ですよね。これでエロがあってなおかつ主人公に声がついてるとかお得過ぎる。サーモン丼食べたらいくらもマグロもついてきたみたいな感じ。なんてありがたいんだ。
話はオペラ座の怪人をベースにしつつ、キャラのルートによってそこそこ違います。あとなにげに声優さんが豪華なんですよね。(お察しください)

ストーリーはもう一声ほしい…と思いつつ、3Pが多めなのとちょっとネタバレになりますが近親相姦があるので非常に食指に合う作品でした。この辺気になる方は多分買うといいと思う。


こう記事を書きつつも結構やってない乙女エロゲー多いのでやらなきゃなあ…と思う次第でした。

願わくば今開発中の乙女エロゲーが無事発売されることを祈りながら終わります。