「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」Windows版感想

突然だがelfという美少女ゲームメーカーをご存知だろうか。
かつては東のエルフ、西のアリスと美少女ゲーム業界に名を馳せたメーカーだったのだが、ずさんな経営やスタッフの移籍などで既に解散済みとなっている。


この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」はそんなエルフが残した作品の1つである。
PC98、セガサターンWindows版、そして昨年出たリメイク版にあたるvita版とPS4版などがある。リメイクだと絵が変わってしまっていて、せっかくだからエロあるのをやりたい!!とWindows版を入手してクリアした。
以下その感想。ネタバレ注意。

 

このYU-NO、ループものであることと現代編と異世界編があること、美少女ゲームの中でも非常に評判がいいこと…くらいしか知らずにプレイをしてみた。結果。うーん…さすがに色褪せた名作になってしまったかな?と申し訳ないけれど。
感想で検索すると、かなり魅力に取り憑かれた人たちがたくさんいるのだが、いまいち周囲にそういう人間がいなくて直に聞けないのが悲しい。

 


まずシステム。本来メタ的に主人公しか知覚できないはずのフローチャートをシステム上主人公が知覚しており、それを埋めながら進めるというシステムはいい。
ただ、宝玉セーブは最初よくわからなくて失敗しまくってリスタートばっかしてました。フローチャート、あるならポンとそこに飛ばせてくれ。
あゆみルートの最後で入手するアイテムをうっかり使ったあとに宝玉セーブ置き忘れて取り直しになった時は思わず「あ!!!!!!!」って声出たわ。幸いスキップ早いから良かったけど。
昔のゲームだからオートもバックログも無いのはやっぱ辛いですね…。
逆転裁判のようにそこらじゅうを調べるの、楽しいんだけどいまいちどこを調べたら進むのかイライラすることになるのが。リメイク版だとわかりやすくなっているらしい。

 

 

ストーリーについて。全体的な雰囲気として、当時の空気がすごいですね。言語化しづらいんだけどやっぱ今と違うなぁという感じが。
個人的に全編に渡って盛り上がりに欠けるというか、あゆみさんルートは具体的に悲劇があってから飛ぶ必要があるけど全編そんな感じかというとそうでもないし、正直異世界編と現代編の話が変わりすぎてどっちを基準に喋ればいいのかよくわからない…。
ユーノの存在も、かわいい娘だけどホイホイセックスしちゃうし(近親相姦自体は好きだけど)非処女云々には抵抗ないけど神奈のビッチ要素は必要だったのかな…?という感じが。
ただ、謎解きから序盤~中盤へ少しずつ真に迫ってく感じは楽しかったし適度なホラー要素も良かったです。ただ、あまりにも話の核心がSF的すぎて別に小難しい話はいいからドラマチックな展開が欲しかった(無かったわけではないんだけど個人的にアッサリなように感じた)

あとラスボスも、あれだけ主人公と敵対しててオチが弱すぎない…?という感じが。結局彼にとってテラグランデと地球が消滅するのは通過点でしかなく追ってを振り切るためっていうのが。うーん。

 

キャラについては古いながらに魅力のある絵とキャラでした。あゆみさん可愛かった。あとお父さん一見するとスゴいかっこいいけど、あゆみさんと結婚したのって結局ジオテクノニクスを使いたかっただけで愛はなかったのか…?というのがちょっとモヤモヤする。
主人公結構かっこよかったし好きですね。あとはえりこ先生、喫茶店CGの驚いた顔がかわいい。

最後の新しい木は二人がアダムとイブになって新しい平行世界を作ったってことなんだろうか。うーんバカだからよくわからん。
小難しい話が多くてどうやら批評空間の感想を見るとそれがうけたんだろうか。

音楽はどれも印象に残る感じのいいサウンドでした。


ただ、これが20年以上前に出ているってのはやっぱりスゴいことだと思います。けれど単純な事実として色々ゲームの中身もインフレしてて、それを味わったあとにやるとちょっと物足りなさを感じる作品でした。

リメイク版も落ち着いたらやりたいですね。