Fate/GrandOrder Cosmos in the Lostbelt4章感想前編―ジナコの物語性がずるすぎる―

こんにちは、よるとりです。書くこと書いてくと長くなるのでテーマ絞って前後編にします。ネタバレ全開なので、まだの人は早く伐採してきて。

 

 


ずいぶん長いこと待たされましたね。4章実装おめでとうございます。
インドということで、どんなもんかなと思ってたんですがインドケンカホモが題材なので特にCMで期待はしていなかったんですが、めっちゃ面白かったです。

 

何が面白かったって、ジナコ。お前だよお前。

 

ご存知の通り、ジナコがPSP用ゲーム「Fate/EXTRA CCC」にて登場したカルナのマスターなわけです。EXTRAには出てこない新キャラなわけですが、まあとにかく彼女、プレイ後も一定層から難色を示されていたわけです。
詳しくはネタバレになるわけですが、見てくれは太っていてよろしくない、悲観主義者、愛嬌といえば可愛らしい悠木さんのお声……くらいなんですが、特に彼女が引きこもりになってしまった内面描写が妙に生々しく嫌悪感を示す人間が一定層いました。
そうしてゲームの勝者ではないのに月の裏側どころかセラフからも抜け出した彼女。

 

そのジナコがまさかの擬似サーヴァント!!

 

いや、冗談抜きで誰が待ち望んでいたのか?って話なんですよ。擬似サーヴァントってただでさえ「キャラの人気を使って商売したいだけだろ」と難色を示す人も少なくないわけですし。でもジナコ、殆どキャラとしては人気がないわけですよ。いやほんと、悪く思わないで欲しい。客観的な事実としてこう、その前提で話を進めます。


もちろん奇特な方がジナコがめちゃめちゃ好き好きで待ち望んでいたのかもしれません。ですが絶対数としてFGOユーザーのうちCCCをプレイした人間は多くて1割とかでしょうし(実数は定かではありませんが)その中でジナコ、FGOに出てきてほしいな~~~と思った人、いるの?といえば、本当に極々僅かだったはずです。
ちなみに私はジナコの物語は好きですしCCCも好きですが、最推しでもないのでかなりどうでもいい枠でした。正直に言っちゃうとまあね……。

 

その誰からも望まれていないジナコが、
唯一神によって不要物は削除される世界で、
反旗の旗頭になる。

 

いやぁ超アツいですよ。ジナコは自分ですら自分は不要物だ、と定義してたような根暗陰キャオタクなわけですよ。そのジナコに対して「あとは頼む」と、カルナが役割を託し、ジナコは攻略に対して絶対的に必要な楔として「慣れたこと(得意なこと、好きなことではないのが重要)」を買って出て、それを成し遂げるんですよ……。

要素の一つ一つを要物、不要物と決められ削がれていく世界で、間違いなく不要物認定されるような不出来な劣等生がNOを突きつけるわけですよ……!!


本来多神教というのは、不要物なんてのは存在せず全てが信仰の対象となりうるわけです。アフロディーテは去勢された男根に張り付いた泡ですし、古事記においてイザナギイザナミの初産の不具の子ヒルコも神様です。いらないとされても、神様は神様なんです。
それなのにどうしてか多神教が失われたインドでは、アルジュナが神性を統合してしまったためにロジックエラーが出まくりなわけです。哪吒がまさにそうでしたし、アスクレピオスもそれによって負けてしまったわけで。

 

広がる世界に対して、閉じていくことをよしとしてしまった神ジュナに対して不出来なジナコが不出来さ故にそれを間違いだと突きつけることが出来る。よくできてんなあ!と膝を打ちますよ。
一緒に神の空岩となったラクシュミーも、実は宿った女神はラクシュミーではなくアラクシュミーという不運の女神、つまりは必要不要で考えるならいらない女神とも言えます。
ガネーシャに関してはFGOで出た以上の知見が無いのでノーコメント)

 

物語の中、それどころか外ですら彼女に期待する人は殆どいなかった、そんな彼女が成し遂げてしまうというドラマを吸着してしまうの、あまりにずるすぎませんか。
アルターエゴたちの続きを描きたくなってしまった」とCCCの続きを書いてしまう奈須のきのこの御大や4章ライター陣は、彼女らと同じくらいにジナコを思ってくれていて、こんな適材適所で彼女を出せてしまうの、本当にこのゲームやっててよかったなと思います。


見たか神ジュナ!!!これが多様性の勝利じゃ!!!!

 

神ジュナと異聞帯についての感想についてもつらつら書きたいんですが長くなるのと大奥とかも確認したいので後日に後編で会いましょう。ではでは。