夏なので「ふしぎの海のナディア」を見たよ

どうも。よるとりです。

なぜか25歳ながら学生をやってる私、一応長期休みということで普段はなかなか時間が取れず見れないアニメを見ようと重いNetflixにちょうど「ふしぎの海のナディア」の名前を見かけたので見てみることにしました。

 

www.netflix.com

 

年代問わず多少サブカルに通ずるオタクであれば「庵野秀明」の名前を知らぬ人はいないのでは無いかと思う。その庵野が地上波NHKでメガホンをとった初オリジナル作品…という位置づけでいいのかな?

あまり作品の感想を聞いたわけではないが、1990年のNHKアニメということで現在の30代後半~40代のオタクにとっては懐かしいアニメみたいな感じらしい。というのも、私の大好きなクリエイター武内崇氏及び奈須きのこ氏がどこだかのインタビューで共に名前を挙げていたのでいつか見ようと思っていたのである。

 

序盤のプロットはたいへんジブリの某アニメを彷彿とさせる作りで、曰くプロット企画段階で共有していたとかなんとか。しかし90年のアニメでヒロインが褐色ジプシー、しかも見世物小屋サーカスで生きるってなかなかの描写ですね。

配信サイトで見る古いアニメ、ウテナガンダムWなど見ましたがあれが96年あたりなので多分自分が見たアニメの中で一番古いものになるのかな?産まれて無いしな…。

 

メインコンセプトはフランスの小説海底2万マイルからとっているようですが、全編に渡り特撮のオマージュが使われている…らしい。さっきかららしいが多いな…。海底2万マイル見たことも無ければ特撮も全く明るくないのでその辺はわからず。ディズニーの海底2万マイルの映画で褐色のヒロインが出てくるのはナディアに影響されたんですかね?ライオンキングみたく。

 

タイトルにあるようにヒロインであるナディアをメインに描く作品なんですが、このナディアがびっくりするくらい全っっっっっく可愛くない。

ワガママで、嫉妬深く、人の話を聞かない融通が利かない、自分のことしか考えていない、前述した境遇の不幸さを全て吹き飛ばすクソガキっぷり。すごいびっくりした。ジャンもご飯持ってきてよ!とか空気読めない発言が多いですが、彼女よりも落ち着いて理知的だから(だからうまくやれてるんだろうけど)特に無人島編では彼女のベジタリアン…今風にいうとビーガンもどきのワガママが炸裂して、正直イラッと来てしまった。あんまりキャラに苛立つとかは無いんですけどね普段。

けど、そんなワガママで正義感の強いナディアだからこそガーゴイル達の所業にNOを突きつけられる強い説得力が生まれたんだろうなと思います。そこは認める。

 

15歳の少年少女が主人公なので「相対的な大人と子供」というのが描かれてたのも大変よかった。彼らは思春期だし年から見たら子供なんだけれど、完全に子供のマリーというキャラクターがいるのと境遇のせいで無理やりに大人として振る舞わざるをえなかったり、大人の前で子供に戻ったりする。その絶妙な行き来をしながら成長していくのはいいですね。

それを間違いなく支えていたのは、ほぼ完璧に大人として描かれていたグランディスさん。ナディアがクソ女すぎるのでグランディスさんがあまりにいい女に見える。マジで幸せになって欲しい。

 

大人と子供を行き来しているのは主人公だけじゃないのも良かった。エレクトラさんなんかは割と顕著で、二人に対しては大人であろうとするけど親同然のネモ船長へのフラストレーションが爆発しているのは複雑な生い立ちもあるけどまだ境界を彷徨いてた故なのかなぁと…

あとフェイトさんも、子供が聞いてるからと気丈に振る舞うのに最後の最後で「死にたくない!」と叫ぶのはまだ年若いし当然なんだけど揺れ動いてるのが…というかこのシーン、子供の頃みたらトラウマやろ…

 

他に90年前後にどんなアニメがやってたのかわからないので、どれだけナディアが革新的だったのかとかはわからないですが、後のエヴァンゲリオンなどに通ずる古典のような見方が出来るから今見てもそこそこ面白かったです。大変勉強になりました。

余談ですがネオ皇帝ことナディアのお兄ちゃんの最後にすごいグッと来ました。ほぼ妹には顧みられて無いけどお兄ちゃん…切ねえよお…

劇場版も後で見ないとね。ではでは